「ナチュラルで」と言われて作ったエクステを、仕上がりの鳴で「思ってたより派手」と返されたことはありませんか。
カウンセリングシートには確かに「ナチュラル系」と書いてあった。
それでも納得してもらえなかった原因は、記入項目が不十分だったからではなく、シートの作り方がエステサロン汎用のままだったことにあります。
弁護士ドットコムには「まつ毛エクステ」関連の相談が42件登録されていて、Yahoo知恵袋には「同意書にサインしたのに無料直しを拒否された」「上下まつげを接着されて4時間拘束された」といった事例が並んでいます。
この記事では、エステサロン汎用のカウンセリング項目を並べた解説ではなく、実際のマツエクトラブルから逆算してシートを作り直す方法を、新人アイリストや個人サロンでもそのまま使える形でお伝えします。
なぜ「エステ汎用シート」のままだと危険なのか
ネットで「マツエク カウンセリングシート」と検索すると、上位のほとんどがエステサロン全般の解説を流用したものです。
そこに書いてあるのは、名前、連絡先、健康状態、希望のイメージ、アレルギーといった一般的な項目です。
これ自体は間違いではありません。
でもマツエクの現場で起きるトラブルは、エステ汎用のシートではほぼ防げません。
たとえば、グルーの種類による刺激の差、過去のエクステの「取れ方」、目薬を1日何回さすか、コンタクトレンズの使用習慣、上下のまつげの接着リスク。
これらはマツエク特有の論点で、汎用シートには出てきません。
つまり「項目を埋めた」ことと「リスクを潰した」ことは別物です。
シートの目的は、お客様の希望を書き残すことではなく、トラブルが起きるルートを事前に塞ぐことです。
トラブル事例から逆算した必須12項目
実際にマツエク現場で起きたトラブルから逆算すると、シートに必須なのは次の12項目です。
各項目に「これがないと何が起きるか」を添えました。
1. 過去のエクステ経験と「持ち日数」
© 平均10日で取れていた人と、3週間持つ人では、毛質も装着方法も変わります。
2. 前回サロンの不満点
© 「持ちが悪かった」と聞いて初めて、装着技術ではなくホームケアが原因だと気づくことがあります。
3. グルーアレルギー履歴
© 過去にしみた、赤くなった、目が腫れたという経験は、もれなく分けて聞きます。
4. 使用中の目薬の種類と頻度
© ヒアルサン系を1日レ5回以上さす人は、グルーの硬化に影響が出やすいです。
5. コンタクト使用習慣
© 装着時に外せるか、施術中の乾燥対策が必要かが変わります。
6. 過去24時間の体調
© 寝不足・生理前は涙が出やすく、施術時間が伸びます。
7. 今日のメイク状況
© ビューラー、ホットビューラー、マスカラ下地の有無で、装着前のオフ時間が変わります。
8. 普段の洗顔方法
© こするタイプの洗顔は、エクステの持ちに大きく関わります。
9. 寝るときの姿勢
© うつ伏せ寝が多い人は、片側だけ持ちが悪くなる傾向があります。
10. 希望デザインの「絶対NG」
© 「派手は嫄」より「目尻が下がるのは絶対嫄」のほうが正確な指示になります。
11. なりたいイメージの「具体名」
© 「ナチュラル」ではなく、「女優さんの友達役ぐらいのサッパリ感」など、具体名で聞き出します。
12. 同意書のサイン
© 万が一の金銭トラブル時、これがあるかないかで対応が一変します。
12項目と聞くと多そうですが、チェックボックス形式にすれば短時間で記入できます。
ここを省くと、施術直後のお客様に「思ってたのと違う」と言われた時、何を根拠に説明したらいいか分からなくなります。
「お任せします」を分解する5つの聞き方
カウンセリングで一番困るのが、「お任せします」「いつもと同じで」「とりあえずナチュラルで」と言われるパターンです。
ここで「分かりました」と返してしまうと、仕上がりの責任が全部アイリスト側に乗ります。
代わりに使えるのが、お任せを分解する5つの質問です。
質問1:「いつもと同じ」を「具体的にどこが」気に入っていますか
→ お客様の頭の中の「いつもの良かった部分」を言語化させます。
質問2:「これだけは絶対嫄」を1つだけ教えてください
→ NGを1つに絞らせると、「目尻が下がるのは絶対嫄」など本音が出ます。
質問3:今日この後、どこに行く予定がありますか
→ 「会社の打ち合わせ」「保護者会」「合コン」で、自然と希望が変わります。
質問4:仕上がりを誰に一番見せたいですか
→ 「自分の鳴で見た時」と「彼氏に会う時」では、強さの基準が違います。
質問5:もし1週間後、写真を撮ることになったら、どの角度から撮られたいですか
→ 横顔派・正面派が分かると、デザインの方向性が一発で決まります。
この5つの質問は、シート記入後の口頭カウンセリングで使うのが効果的です。
「お任せします」と書いてあっても、ここで2分使うだけで、施術後の満足度が大きく変わります。
リピート時は「全部書かせる」と離脱される
新規のお客様には12項目フルで書いてもらいます。
でもリピートのお客様にも毎回12項目を渡すと、「またこれ書くの」と思われて離脱の原因になります。
リピート時は、新規時のシートを残しておいて、変化した3項目だけ確認する方式に切り替えます。
確認すべき3項目はこれです。
1. 前回からの「持ち日数」と感じた不満
2. 体調・生活習慣の変化(妊娠、転職、目薬の変更など)
3. 今日のなりたいイメージの「変化点」
特に妊娠初期は本人も気づいていないことがあります。
「最近、目がしみやすくないですか」と一言聞くだけで、ホルモンバランスの変化を察知できることがあります。
リピート時の確認は、新規より深く聞くのがコツです。
「いつも通り」と言わせず、「前回と比べてどこを変えたい」を引き出すのが、提案が進むサロンの共通点と言われています。
1人サロン向け、「3分で書ける」上下2段のシート
1人サロンで「シートをじっくり書いてもらう時間がない」という悩みは多いです。
ここでおすすめなのが、A4一枚を上下に分けた「上下2段のシート」です。
上段(1分半で記入)
- 名前、連絡先、誕生月
- 過去のエクステ経験(ありなし)
- アレルギー(チェックボックス5つ+その他)
下段(1分半で記入)
- 過去の不満(チェックボックス5つ+自由記述1行)
- 今日のなりたいイメージ(写真3枚から選択)
- 「絶対NG」を1つだけ自由記述
合計3分。
写真3枚から選ばせる仕組みは、「お任せします」を防ぐのに非常に有効です。
文字で「ナチュラル」と書くのと、写真で「これくらい」と指すのでは、認識のズレが大きく違います。
写真で見せるだけで、初回のお客様の「言ったこと」と「仕上がり」のズレが軽くなる傾向があります。
紙とタブレット、判断基準は2つだけ
「紙のシートとタブレット、どっちがいいですか」とよく聞かれます。
判断基準は2つだけです。
基準1:1ヶ月の新規来店数
- 月20名以下:紙でOK。コストが低く、保管も小さなファイル1冊で済みます。
- 月20名以上:タブレット推奨。検索性と過去履歴の参照性が、紙では追いつかなくなります。
基準2:スタッフ数
- 1~2名:紙で十分。引き継ぎが少ないため、紙の物理的限界が問題になりません。
- 3名以上:タブレット推奨。スタッフ間の情報共有を、シート1枚で完結させられます。
紙とタブレットを「カッコよさ」で選ぶと失敗します。
新規数とスタッフ数の2つで決めるのが、一番後悔しない選び方です。
まとめ
マツエクのカウンセリングシートは、エステ汎用の項目をそのまま流用すると、現場で起きるトラブルを防げません。
実際のトラブル事例から逆算した12項目を入れて、「お任せします」を分解する5つの質問を口頭でセットにする。
これだけで、施術後の「思ってたのと違う」を大きく減らせます。
リピート時は3項目に絞り、1人サロンなら3分で書ける上下2段に整える。
紙かタブレットかは、新規数とスタッフ数の2つで決める。
ここまで揃えて初めて、カウンセリングシートは「項目リスト」から「トラブル予防の台紙」に変わります。
新人アイリストさんも、個人サロンのオーナーさんも、今日のシートを見直して、足りない項目を1つ追加するところから始めてみてください。
カウンセリングをもう一段上げたいアイリストさんへ
■ カウンセリングコンテンツ
この記事で紹介した12項目・5つの質問・2段シートを、そのまま使えるテンプレ集とデザイン共有画像にまとめたコンテンツです。
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