「もうメイクに時間をかけたくない」「すっぴんで出られるデザインがいい」と言うお客様が、この数年で増えていると言われています。
2020年以降のマスク生活で「目元だけメイク」が定着し、2025年以降は「それも面倒」という層が一気に厚くなっていると、業界内では語られることが多いテーマです。
一方、「ノーメイク向け」を切り口に説明している記事のほとんどは、「Jカールで本数80本」「長さ8.5mm」というスペックの話で終わっています。
上位に出てくる記事10本を見ても、お客様の願いの中身をヒアリングでどう分解するかに踏み込んでいる例は少なめです。
この記事は、スペックではなく「朝の10分を何に使いたいか」を聞き出せるアイリストになるための、ノーメイク願望の分解ノートです。
「ノーメイク」は同じ一言でも中身が違う
同じ「ノーメイクで出たい」と言っても、お客様の頭の中にあるのは3タイプに分かれると言われています。
1つ目、「スッピンを見せても平気」型。
ジム・コンビニ・街中でマスクを外しても、顔色を気にせずいられるようになりたい、という願いです。
2つ目、「リップとチークだけは軽く載せる」型。
ベースメイクをしないだけで、ポイントは軽く使う、という中間層です。
3つ目、「送迎や急な夜も乗り切れる」型。
メイク直しの手間を増やさずに、夜まで乗り切りたい、という願いです。
この3つを「どれに近いか」の一言で拾うだけで、提案のピントが合いやすくなります。
上位記事の共通した見落とし
「ノーメイク マツエク」で上位に出てくる記事10本を読み込んだ上で、共通して見落とされているポイントがあります。
それは、「そもそもの眼球・睫毛の生え揃いで、同じ本数でも見え方が違う」という事実を扱っていないことです。
同じJカール80本でも、上まぶたの骨格が高めの人だとちゃんと「上がった」見え方になるし、骨格が低めの人だと「ボリュームだけ盛っている」見え方になりやすいと言われています。
「すっぴんになじむデザイン」は、本数とカールより先に、その人の骨バランスと睫毛の生え揃いから逆算するかどうかで決まりやすい、と業界では考えられています。
この記事で扱う角度
当記事では、本数やカールの「正解」を提示しません。
その代わり、「朝10分を何に使いたいか」と「その人の骨バランス」の2つをカウンセリングで拾い、その場で組み立て直せるようになる、アイリストさん向けの逆算記事を書いていきます。
カウンセリングのたった3つの質問
ノーメイク願望の方に聞く質問は、3つだけで十分です。
1つ目、「朝の準備時間は今何分ぐらいで、どれぐらいに縮めたいですか」。
「20分から10分」と言う人と、「今ゼロかサロンで何とかしたい」と言う人では、提案の重みが全く違います。
2つ目、「スッピンで会う人は何人ぐらいですか」。
同居家族だけなら提案は軽く、職場やジムの人にも会うなら軽メイクセット提案に切り替わります。
3つ目、「顔を洗いに出たとき、目立たせたいパーツはどこですか」。
目元と言う人、口元と言う人、肌と言う人では、睫毛の「盛り方」の方向が変わります。
提案の判断基準は2つ
3つの質問で拾った中身を、提案に落とすときに使う判断基準は2つです。
1つ目、「顔を正面から見たときに『長さ』と『本数』のどちらを見る人か」。
長さを見る人は、1mm軽くしてJカール中心にしたほうが「盛っている感」が出にくいと言われています。
本数を見る人は、本数を100本以下に入れても「すかすか」に見えるので、1本あたりの太さを0.15mm以上にしたほうが評価されやすいです。
2つ目、「リップとチークをしたときにバランスが取れるか」。
色メイクを使う予定の人には、ブラウンボリュームだと重たく見えやすいので、カラーエクステ20本という選択肢を渡します。
本数・カールより「生え揃い」と「装着位置」
ノーメイクで「盛っている感」を出さないために効きやすいのは、色や本数よりも、エクステをどこに付けるかです。
上まぶた全体だけではなく、上まぶたの中央と外側の2か所だけを押さえると、上がった見え方になりやすいと言われています。
上まぶたの生え揃いにすき間がある人は、すき間にこだわって装着すると「本数以上の存在感」が出やすいです。
NGパターン:ノーメイク希望の方への強すぎる提案
業界では、「ノーメイクで出たい」と言うお客様に、120本・Cカール・10mmを提案する流れは満足度が下がりやすいと言われています。
その場では「かわいい」と言われても、翌日に「ノーメイクでと言ったのにデザインが強すぎて、リップを足さないと顔がちぐはぐ」となるパターンが出やすいためです。
ノーメイク希望の方には、「もっと薄く・軽く」が出発点になります。
100本・Jカール・9mmあたりを「ノーメイク希望の底」として置いておくと、提案が安定しやすいです。
満足度に直結する「朝の時間」の話
ノーメイクの本当の値打ちは、スッピン見せても平気さよりも、「朝10分を他に使える」という生活の軽さに出やすいと言われています。
ポイントメイクだけで20分かかっていた人が、5分に縮められたら、毎朝10分が他の時間に回ります。
カウンセリングの最後に「朝の時間がどう変わりそうか」を一緒に確認すると、提案の納得感が上がりやすいです。
反転:本数を減らすのではなく、「引き算」で提案する
ノーメイクと言われると「本数を減らす」と反射的に考えてしまいやすいですが、本質はそこではないと考えられています。
本質は、「朝の手間を引き算する」ことです。
マスカラを塗らなくてよくなるデザイン、アイライナーを引かなくても整うデザイン、アイシャドウを入れなくても豊かに見えるデザイン。
本数やカールは、その「引き算」を成り立たせるための道具でしかありません。
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