新人スタッフが「もう少し長く勤めたい」と思えるサロンの作り方|まつげサロン

サロン経営・マネジメント

新人スタッフが「すみません、辞めさせてください」と切り出してくる、あの瞬間は誰にとっても重たいものです。

 

面接のときは「長く続けたいです」と言っていたはずなのに、3ヶ月、長くても半年で離れていく。

 

厚生労働省の調査では、美容師全体の早期離職率は約43%、入社1年以内で辞める人が3人に1人いるという数字が出ています。

 

業界全体の数字としては珍しくないものの、3人採用して2人辞められたらサロンは回らなくなります。

 

この記事では、「給与を上げる」「休みを増やす」とは別の角度から、新人さんが「もう少しこのサロンで続けたい」と思える小さな見直しを5つに絞ってお伝えします。

 

1.辞める理由の多くは「人間関係」、お金が先ではない

新人スタッフが辞めるとき、表向きの理由は「家庭の事情」「体調」と言われがちです。

 

業界では、本音の多くは「居場所がなかった」「先輩に話しかけづらかった」の2つに集約されると言われています。

 

ここで多くのオーナーが間違えるのが、「給与を5000円上げれば残ってくれる」という発想です。

 

実際は逆で、給与を上げても人間関係が変わらないなら、半年遅れて結局辞めるケースが目立ちます。

 

判断基準は「金銭」と「関係性」の2つ

離職対策を考えるときは、2つに分けて見るのが分かりやすいです。

 

1つ目は金銭面で、給与・賞与・福利厚生の整え方。

 

2つ目は関係面で、声かけ・存在承認・成長実感の積み重ね。

 

たいていの場合、金銭面だけ整えて、関係面が空っぽになっています。

 

こういうサロンは、給与を上げても定着が伸びにくいです。

 

2.採用時の「一言」で、ミスマッチは大きく減る

面接の段階で、「うちは○○なサロンです」「こういう人と一緒に働きたい」と1分でも話しておく。

 

これだけで、入社後3ヶ月で辞める確率は大きく下がる傾向があります。

 

NGなのは「とりあえず来てみて」「やってみないと分からないから」という採用です。

 

応募者にとっては「何を求められているか分からない場所」に飛び込むことになり、初日から不安に包まれます。

 

具体的には、こんな伝え方がおすすめです。

 

「うちはナチュラル仕上げを丁寧にやるサロンで、派手なデザインの練習量は少なめです」。

 

「お休みは月8日、繁忙期も交代でちゃんと取ってもらいます」。

 

「お客様の話を聴くのが好きな人と、長く一緒に働きたいです」。

 

このうち1つでも「自分と違うな」と感じた応募者は、面接の時点で辞退してくれます。

 

これは「採用失敗を3ヶ月早めただけ」で、お互いにありがたい話です。

 

3.初日と初週、「話しかけられる回数」が定着の分かれ目

新人さんに初日のことを聞いたとき、「お昼休みに、ひとりでスマホを見ていました」という答えが返ってくるサロンは要注意です。

 

このパターンは、3ヶ月以内に辞める確率が高いと言われています。

 

逆に「初日から先輩が3人くらい話しかけてくれて、お昼も一緒に食べた」というサロンは、1年残る確率が一気に上がります。

 

意外ですが、技術指導の質より、声かけの回数の方が定着には直結します。

 

初週で意識する3つの声かけ

難しいことは要りません。

 

1日に最低3回、こんな声をかけるだけです。

 

「今日、分からないことなかった?」(朝)。

 

「お昼ちゃんと食べた?」(昼)。

 

「今日お疲れさま、明日も待ってるね」(夜)。

 

これを初週の5日間続けるだけで、新人さんの「ここに居ていいんだ」という安心感がガラッと変わります。

 

4.「できていること」を週1回、面と向かって言葉にする

新人スタッフが心の中でくすぶらせている一番のしんどさは、「ちゃんとやってるのに、見てもらえていない」という感覚です。

 

ここで多くのオーナーが陥る失敗があります。

 

「LINEで『お疲れさま』とスタンプを送って褒めたつもり」というやり方です。

 

これは、ほぼ伝わっていません。

 

新人さんの脳には「営業終わりの定型挨拶」としか記録されないからです。

 

効くのは、週に1回でいいので、面と向かって名前を呼んで具体的に伝えること。

 

「○○ちゃん、昨日のお客様の見送り、目線まで丁寧で良かったよ」。

 

「セッティングの並べ方、先週より2分早くなったね」。

 

具体的であればあるほど、「あ、ちゃんと見てくれてるんだ」と心に落ちます。

 

褒める順番は「行動→人柄」の順

注意点があります。

 

いきなり「○○ちゃんは優しいね」と人柄を褒めても、新人さんは「お世辞かな」と受け取りがちです。

 

「お見送りが丁寧だった」(行動)→「お客様への気配りが伝わるよ」(人柄)の順で言うと、本気で受け取ってもらえます。

 

5.週10分の「ふたり時間」を仕組みにする

気まぐれな声かけだけでは、忙しい時期に必ず途切れます。

 

そこで、週に1回・10分だけでいいので、「ふたりで話す時間」をシフトに組み込んでみてください。

 

営業前の10分、お昼休みの10分、閉店後の10分、どれでも構いません。

 

話す内容は、業務連絡ではなく「最近どう?」だけ。

 

「最近、施術で困ってることある?」「お客様で気になった方いる?」「次に練習したい技術ってある?」。

 

これだけで、新人さんは「自分のキャリアをちゃんと考えてもらえている」と感じます。

 

NGパターン:10分面談を後回しにする

「忙しいから来月から」と言って、この10分面談を3ヶ月先延ばしにしてしまうサロンは要注意です。

 

その間に、新人さんは静かに転職活動を始めていて、ある日突然「次が決まりました」と退職届を出してくるパターンが業界では多いと言われています。

 

10分は「忙しいから後で」ではなく、「忙しいからこそ最優先で」入れるべき時間です。

 

まとめ:定着は技術指導ではなく「関わり方」で決まる

新人スタッフの定着を分けるのは、5つでした。

 

「辞める理由は人間関係と知っておく」「採用時に一言伝える」「初日初週の声かけを3回」「週1回の具体褒め」「週10分のふたり時間」。

 

給与アップや福利厚生の見直しは大事ですが、それは「長く続けたいサロン」になった後の話です。

 

まずは明日、新人さんの名前を呼んで「お昼ちゃんと食べた?」と声をかけてみてください。

 

そこから、1年後に「もう少しこのサロンで続けたい」と思ってもらえる空気が育っていきます。

 

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